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東京地方裁判所 昭和44年(行ウ)246号 判決

東京都荒川区南千住二丁目六番五号

原告

寺田光一

右訴訟代理人弁護士

関原勇

篠見祐貢

東京都荒川区西日暮里六丁目七番二号

被告

荒川税務署長

栗田光夫

右指定代理人

玉田勝也

柳沢正則

永田八八

中村宏一

右当事者間の所得税処分取消請求事件につき当裁判所は次のとおり判決する。

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一、当事者の申立

一  原告

被告が原告に対し昭和四三年八月一六日付でした昭和四一年分及び昭和四二年分の所得税の各更正処分(審査裁決により変更されたのちのもの)並びに各過少申告加算税の賦課決定処分(審査裁決により変更されたのちのもの)を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主分と同旨

第二、当事者の主張

一  原告の請求原因

1  原告は、東京都荒川区南千住二丁目六番五号において牛乳販売業を営む白色申告者であるが、被告に対し

(一) 昭和四二年三月一三日、昭和四一年分の所得税に対し総所得金額を四八一、三三八円、税額を三一、八二〇円

(二) 昭和四三年三月一二日、昭和四二年分の所得税に関し総所得金額を五三七、七六四円、税額を三七、八〇〇円とする各確定申告を行なつた。

2  被告は、原告の右確定申告に対し昭和四三年八月一六日付をもつて、昭和四一年分総所得金額を一、三〇〇、五七二円、税額を一九二、一〇〇円、昭和四二年分総所得金額を一、三三八、五四一円、税額を一九四、三〇〇円とする各更正処分並びに過少申告加算税を昭和四一年分につき八、〇〇〇円、昭和四二年分につき七、八〇〇円とする各賦課決定処分をした。

3  そこで、原告は被告に対し昭和四三年九月一六日右各更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分につき異議申立をしたところ、被告は同年一二月一三日右申立を棄却する決定をしたので、原告はさらにこれにつき昭和四四年一月七日東京国税局長に対して審査請求を行なつた。ところが、東京国税局長は、同年九月五日付をもつて右各原処分の一部を取り消し

(一) 昭和四一年分につき総所得金額を一、一一四、二五四円、税額一四七、五〇〇円、過少申告加算税を五、七〇〇円とし、

(二) 昭和四二年分につき総所得金額を一、〇一〇、八四一円、税額を一二〇、八〇〇円、過少申告加算税を四、一〇〇円とする旨の各裁決を行ない、その各裁決書謄本は同月二五日原告に送達された。

4  しかしながら、前記各年分の原告の総所得金額及び税額は原告の確定申告額が正当であつて、被告の右各更正処分(ただし、右審査裁決により変更されたのちのもの、以下これを本件更正処分という。)並びに各過少申告加算税賦課決定処分(ただし、右審査裁決により変更されたのちのもの、以下これを本件賦課処分という。)は違法であるから、その取消しを求める。

二  被告の認否と主張

1  請求原因1ないし3の事実は認め、同4は争う。

2  被告の主張

(一) 審査の経過

被告の係官は、原告の本件各係争年分における所得調査のため昭和四三年六月一三日原告方を訪ね、原告に来意を告げて帳簿書類等の提示を求めたが、原告は突然の調査では困るなどといつて調査に応じようとしなかつた。被告の係官は、同月二八日再び原告方に臨店し原告に面接したが、原告は配達に行くと称して出かけて調査に応じなかつた。その後、異議申立の段階で同年一一月一一日と同月一八日、審査請求の過程で昭和四四年四月一八日、係官がそれぞれ原告方に臨店し原告に収支計算書ないしは証拠資料の提示を求めたが、原告からはなんらの資料も提出されなかつた。

(二) 本件処分の適法性

被告は、原告の非協力により所得の実額を把握することができないため、後記のとおり推計により本件更正処分をした。原告の各年分における所得金額及びその算出根拠は次のとおりであり、本件更正処分はいずれもその範囲内であるから適法である。

(昭和四一年分)

〈省略〉

(1) 売上金額 一二、六二七、五七〇円

これは、(2)の仕入金額八、八六七、〇八〇円に同業者の平均差益率二九・七八パーセントを適用して算出したものである。すなわち、右同業者率は、荒川税務署管内及び原告の営業所と地域的に近接した城東、城北地域を官轄する王子、足立、本所、江戸川、江東西、浅草、向島、葛飾、江東東の各税務署管内に営業所を有し継続的に牛乳販売業を営む個人業者について右各税務署長が所得調査を実施した同業者の差益率、所得率によつて、原告の売上金額及び所得金額を算定したもので、その算出根拠は次のとおりである。

〈省略〉

そして、その数式は

8,867,080円÷(1-0.2978)=12,627,570円

(仕入金額) (差益率) (売上金額)

となる。

(2) 仕入金額 八、八六七、〇八〇円

原告の昭和四一年分の仕入先と仕入金額は次のとおりである。

明治乳業株式会社 八、一三三、七七八円

銀座乳業株式会社 七二三、八六七円

株式会社三和商会 九、四三五円

合計 八、八六七、〇八〇円

(3) 算出所得金額 二、七七一、七五一

これは、(1)の売上金額一二、六二七、五七〇円に右同業者の平均所得率二一・九五パーセントを乗じて得た額である。

(4) 雇人賃 七九五、四七五円

(5) 家賃 一三八、〇〇〇円

(ア) 店舗家賃 八四、〇〇〇円

原告は、鈴木文雄から店舗兼用住宅を年間賃料一二〇、〇〇〇円で賃借中のところ、その事業使用割合は店舗部分が道路に面しているなどの効用を考慮にいれて七割に当るものと認め、これに相当する賃料を算出した。

(イ) 従業員宿舎の家賃 五四、〇〇〇円

原告は、竹垣粂吉から従業員の宿泊施設を賃借し、月額四、五〇〇円、年額五四、〇〇〇円の賃料を支払つた。

(6) 特別経費合計 九三三、四七五円

これは右(4)雇人費七九五、四七五円と(5)家賃一三八、〇〇〇円の合計である。

(7) 専従者控除額 一四二、五〇〇円

これは、原告の妻寺田輝美の事業専従者控除である。

(昭和四二年分)

〈省略〉

(1) 売上金額 一三、六〇九、五九九円

これは、(2)の仕入金額九、三三八、九〇七円に前記同業者の平均差益率三一・三八パーセントを適用して算出したものである。

そして、その数式は

9,338,907円÷(1-0.3138)=13,609,599円

(仕入金額) (差益率) (売上金額)

〈省略〉

となる。

(2) 仕入金額 九、三三八、九〇七円

原告の昭和四二年分の仕入先と仕入金額は次のとおりである。

明治乳業株式会社 八、八二八、六五〇円

銀座乳業株式会社 五〇四、一六二円

株式会社三和商会 六、〇九五円

合計 九、三三八、九〇七円

(3) 算出所得金額 三、二七五、八三〇円

これは、(1)の売上金額一三、六〇九、五九九円に右同業者の平均所得率二四・〇七パーセントを乗じて得た額である。

(4) 雇人費 九八八、〇五〇円

(5) 家賃 一三八、〇〇〇円

(ア) 店舗家賃 八四、〇〇〇円

(イ) 従業員宿舎の家賃 五四、〇〇〇円

(ア)(イ)とも昭和四一年分と同様方法により算出した。

(6) 特別経費合計 一、一二六、〇五〇円

これは、右(4)雇人費九八八、〇五〇円と(5)家賃一三八、〇〇〇円の合計である。

(7) 専従者控除額 一五〇、〇〇〇円

これは、原告の妻寺田輝美の事業専従者控除である。

三  被告の主張に対する原告の認否と反論

1  被告主張のうち、雇人費及び専従者控除額を認め、その余の点は争う。

2  反論

(一) 被告の本件調査及び更正処分は、原告の属する荒川民主商工会の組織破壊を意図して行なわれたものであつて、憲法の保障する結社の自由を侵害し、法のもとの平等にも反する違憲・違法なものである。

(二) 申告納税制度のもとではあくまで納税者の申告を尊重するのが建前であり、税額は納税者の申告により確定するのが原則であつて(国税通則法一六条)、ただ例外的に、申告の課税標準ないしは税額が法律の規定に従つていないとか税務当局の調査したところと異るときは税務署長において更正処分をなしうるにすぎないのであり(同法二四条)、その要件はこれを厳格に解すべきものである。

ところで、本件では、被告係官は、なんらの予告もなく原告宅に現われ、来意も告げず、原告が尋ねても何年分の所得調査にきたのかもあかさなかつた。しかも、突然の臨場であつたため、原告は折から所用に忙殺されて右係官の応待をする余裕がなかつたもので、決してその調査に非協力であつたわけではなく、むしろ、同係官はただすところもなく立ち帰つたというのが真相であり、所得税法二四条に規定する被告の調査は実施されていないというべきである。

(三) 被告係官による本件調査は、所得税法二三四条一項に規定する質問検査権の行使にも当らない。

すなわち、被告が本件調査を開始した当時、原告は既に本件各係争年分の所得税確定申告書を提出し、かつ、同申告税額を納付済みであつたから、原告は右法条一項一号にいう「納税義務がある者」または「納税義務があると認められる者」のいずれにも当らないのである。のみならず、質問検査権は税務職員らに対し「所得税に関する検査について必要があるとき」に認められるものであることは同法条に明記されているところ、その趣旨は質問検査権の行使により納税者に少なからず迷惑を及ぼすことが予測されるので、その権限行使は客観的・合理的な理由と必要性が認められる場合に限定しようとするものにほかならないと解される。しかるに、本件の場合、原告の申告が適正でないことの合理的な疑いがありこれに対し更正処分をするにつき右質問検査権を行使すべき客観的・合理的な必要性があるとは認められないのである。

(四) 前記質問検査権の行使に対し、相手方が不答弁、虚偽の答弁または検査拒否等の行為にでた場合は罰則の適用を受ける(同法二四二条八号)ので、税務職員らが質問検査権を行使するにあたつては、調査の理由ないしは必要性を相手方に開示することが当該権限行使の適法要件であると解すべきである。なぜならば、質問検査権の行使はあくまで任意調査であつて、その調査に応ずるか否かは被調査者の任意の意思決定にまつべきものであるから、同人がこのことを的確に判断することが可能な程度にあらかじめ当該調査の理由及び必要性を具体的に告知することを要するものと解されるからである。

(五) 所得税法は、青色申告に関する更正処分の際にはその更正通知書に更正の理由を付記しなければならない(同法一五五条二項)と定めているのに、白色申告の場合には同様の規定を欠くけれども、更正処分を実質的にみると、それは納税者の申告額を否認したうえで新たに賦課処分を行なうものにほかならないから、租税法律主義のもとでは納税者に対し当該処分の合理的根拠を明示すべく要請される点は白色申告の場合といえども変るところはないのである。しかるに、本件更正処分の更正通知書にはその旨の理由付記がされていないため、納税者たる原告は右通知書によつては報告がいかなる経過と根拠に基づき本件更正処分をしたのかを知ることができないので、かかる通知書による本件更正処分は違法といわなければならない。

(六) 一般に、課税処分の取消訴訟における審判の対象は原処分の違法性であるから、その判断基準時はもとより原処分のなされた時点によるべきである。ところが、被告は、本件訴訟において、本件更正処分以後の資料によつて同処分の違法性を立証しようとしているが、前記のところからしてこれが許されないことは明らかである。

(七) 原告の本件各係争年分の所得金額算定根拠は次のとおりである。

(昭和四一年分)

(1) 売上金額 一一、四一七、五七三円

(ア) 卸売上 五、三四六、一八四円

卸売りは、その他の販売より相当の値引きを行なうのが通常であるが、原告の卸売上単価等は別表(一)のとおりである。

(イ) その他の売上 六、〇一一、三八九円

(ウ) 自家消費 六〇、〇〇〇円

(2) 仕入金額 八、八六一、四一五円

(ア) 明治乳業株式会社 八、一三三、七七八円

(イ) 銀座乳業株式会社 七一九、三二七円

(ウ) 株式会社三和商会 八、三一〇円

(3) 雑収入 五四、九八七円

(4) 経費総額 一、九八七、三〇七円

(ア) 一般経費 一、〇一七、七五二円

(a) 公租公課 一七、四四〇円

(b) 水道料 一四、六八八円

(c) 交通費 一二、〇〇〇円

(d) 光熱費 六二、七六四円

(e) 通信費 六七、〇四一円

(f) 広告宣伝費 一〇一、五四〇円

(g) 交際費 七一、二五〇円

(h) 火災保険 五、七六〇円

(i) 修繕費 八八、九六〇円

(j) びん消耗費 一二九、二四七円

(k) びん破損費 三六、〇〇〇円

(l) ガソリン代 五三、九七六円

(m) 福利厚生費 一五九、五四〇円

(n) 組合費 四〇、八〇〇円

(o) 事務費 一三、五一五円

(p) 償却費 五〇、〇〇〇円

(q) 雑費 八四、五五五円

(イ) 特別経費 九七八、二三一円

(a) 雇人費 七九五、四七五円

(b) 家賃 一八二、七五六円

店舗家賃 一二〇、〇〇〇円

従業員宿舎家賃 六二、七五六円

(5) 専従者控除額 一四二、五〇〇円

(6) 所得金額 四八一、三三八円

(昭和四二年分)

(1) 売上金額 一二、〇三四、七八九円

(ア) 卸売上 六、〇八五、二六四円

卸売上単価等は別表(二)のとおりである。

(イ) その他の売上 五、八八九、五二五円

(ウ) 自家消費 六〇、〇〇〇円

(2) 仕入金額 九、二一四、八二七円

(ア) 明治乳業株式会社 八、七一〇、五六二円

(イ) 銀座乳業株式会社 五〇四、二六五円

(3) 雑収入 六七、六〇四円

(4) 経費総額 二、一九九、八〇二円

(ア) 一般経費 一、〇一七、七五二円

(a) 公租公課 四五、四三〇円

(b) 水道料 一二、四九八円

(c) 交通費 一二、〇〇〇円

(d) 光熱費 五七、一七〇円

(e) 通信費 五四、四二六円

(f) 広告宣伝費 一〇一、九三〇円

(g) 交際費 七七、六〇〇円

(h) 火災保険 五、七六〇円

(i) 修繕費 六七、七九〇円

(j) びん消耗費 一一四、一九六円

(k) びん破損費 三六、〇〇〇円

(l) ガソリン代 五九、〇八二円

(m) 福利厚生費 一四三、一一五円

(n) 組合費 三九、六〇〇円

(o) 事務費 一五、三二五円

(p) 償却費 五〇、〇〇〇円

(q) 雑費 七一、八〇〇円

(r) 消耗品費 五四、〇三〇円

(イ) 特別経費 一、一八二、〇五〇円

(a) 雇人費 九八八、〇五〇円

(b) 家賃 一九四、〇〇〇円

店舗家賃 一二〇、〇〇〇円

従業員宿舎家賃 七四、〇〇〇円

(5) 専従者控除額 一五〇、〇〇〇円

(6) 所得金額 五三七、七六四円

なお、昭和四二年一月から同年一二月までの明治乳業株式会社よりの仕入製品代及び容器代の内訳と合計金額は別表(三)のとおりである。また、前記一般経費中の「びん消耗費」とは、原告が各家庭に配達し、あるいは大口(学校給食など)卸売りの際などに破損や紛失等のため回収する空びんに不足を生じ、これを補うため新しいびんを購入するに要した費用及びメーカーより空びんの不足分として請求され支払つた金額の合計をさし、「びん破損費」とは、運搬中にびんが破損し、中味の牛乳などが失われた結果原告負担となる損失額をさす。

四  原告の反論に対する被告の認否と再反論

1  原告の反論三の2の(七)のうち、本件各係争年分の雇人費、専従者控除額が原告主張の金額であることは認めるが、その余の点は争う。

被告は、原告の本件各係争年分に関する一般経費につき実額で把握することができないため、前記のとおり同業者の所得率により原告の算出所得金額を求めたのであるが、一般経費額は次のとおりである。

昭和四一年分 九八八、七三九円

12,627,570円-8,867,080円-2,771,751円=988,739円

(売上金額) (仕入金額) (算出所得金額)

昭和四二年分 九九四、八六二円

13,609,599円-9,338,907円-3,275,830円=994,862円

(売上金額) (仕入金額) (算出所得金額)

また、経費総額は、右一般経費額と前記特別経費額(雇人費と家賃の合計額)の合算額であり、昭和四一年分一、九二二、二一四円、昭和四二年分二、一二〇、九一二円である。

2  再反論

(一) 国税通則法二四条に定める調査につき、いかなる方法、程度、範囲で調査を行なうべきかに関し法律の規定はなんら存しないから、税務署長は更正処分を行なうに当り自由裁量により必要と認めた証拠資料の収集をなしうること多言を要しない。

(二) 所得税法二三四条一項一号にいう「納税義務がある者」とは、既に法定の課税要件が充されて客観的に所得税の納税義務が成立し、いまだ最終的に適正な税額の納付を終了していない者のほか、当該課税年が開始して課税の基礎となるべき収入の発生がありこれによつて将来終局的に納税義務を負担すべき者をいうのものと解されるから(最高裁判所第三小法延昭和四八年七月一〇日決定参照)、原告は、法定の課税要件が充されて客観的に所得税の納税義務が成立しいまだ最終的に適正な税額の納付を終了していない者、すなわち「納税義務がある者」に該当すること明らかである。

(三) 前示最高裁判所の決定は、右質問検査権の行使に際し、「調査の理由および必要性の個別的、具体的な告知のごときも質問検査を行なううえの法律上一律の要件とされているものではない。」と判示しているごとく、仮に調査の理由ないしは必要性を相手方たる被調査者に開示することなく質問検査権の行使にはいつたとしても、そのことだけで右権限の行使が違法となるものではない。

(四) 更正処分通知書に処分理由の付記を要する旨の規定があるのは青色申告にかかる所得金額等の更正処分に限られ(所得税法一五五条)、かかる規定のない白色申告の場合には更正処分に際しその通知書に処分理由を付記する必要はないものと解するのが相当であるから、この点に関する原告の反論は失当である。

第三証拠

一  原告

甲第一ないし第三号証、第四号証の一ないし一一、第五、第六号証の各一ないし一二、第七号証の一ないし一四、第八号証の一、二、第九号証の一ないし三、第一〇、第一一号証、第一二号証の一、二、第一三号証を提出。

原告本人尋問の結果を援用。

乙号証につき、第一号証、第二、第三号証の各一ないし一〇、第一〇号証の成立は不知、その余の各号証の成立(第一五号証は原本の存在も)を認める。

二  被告

乙第一号証、第二、第三号証の各一ないし一〇、第四ないし第七号証、第八号第九号証の各一、二、第一〇号証、第一一、第一二号証の各一、二、第一三ないし第一五号証を提出。

証人五島宗次郎、同高波昇作、同飯沼敏郎、同鈴木顕樹、同斉藤実、同久保木勝雄、同堀内哲郎、同大野吉之助の各証言を援用。

甲号証につき、第一ないし第三号証、第一三号証の成立を認め、その余の各号証の成立は不知。

理由

一  請求原因1ないし3の事実は当事者間に争いがない。

二  本件更正処分の適法性の判断

1  原告は、被告の本件調査及び更正処分は荒川民主商工会の組織破壊を意図して行なわれたものであつて、結社の自由、法のもとの平等を保障した憲法の規定に違背すると主張し、原告が右商工会の会員であることは被告の明らかに争わないところであるからこれを自白したものとみなされる。

一般に、居住者は課税期間中の所得が法定の課税最低限をこえることによりその年分の所得税を納付する義務が生ずる(所得税法二条一項三号、五条)のであつて、この点では原告ら民主商工会の会員といえどもなんら差異はないはずであるから、本件のごとく課税処分における税額の多寡が争われている場合は、課税処分の違法性の有無は右処分において認定された課税標準または税額が客観的に正当とされる数額をこえているか否かによつてのみ決せられるべきものであり、同処分が原告主張の意図によるものであるというようないわゆる他事考慮に基づくか否かは本来右処分の違法性とは無関係な事柄というべきであるのみならず、原告主張のような事実を認めるに足りる資料も見出し難い。したがつて、原告の右主張は採用できない。

2  本件調査の経過は、成立に争いのない乙第四号証と証人五島宗次郎の証言によると次のとおりであることが認められる。

被告は、原告の所得税に関して本件各係争年分以前のものにつき既に調査の実績を有し、その反面調査結果等により原告の昭和四〇年分仕入金額を把握済みであつたが、原告の本件各係争年分に関する申告所得額は右仕入金額に比し過少であるとの疑いがもたれたため、本件調査を開始した。被告係官二名は、右調査のため昭和四三年六月一三日午後二時頃原告宅を訪ね、原告に身分証明書と検査章を見せたうえ来意を告げたところ、原告は既に確定申告書を提出済みであるから問題点があれば指摘してもらいたいというので、右係官らは、原告提出の確定申告書はいずれも単に所得金額のみを記載し、収入金額、必要経費その他の事項が空欄のままであつて、その点につき調査の必要がある旨を述べ、帳簿及び取引関係書類を提示するよう求めた。ところが、原告より今日は昼食もまだ済んでいないほど忙しいので他日にしてくれと申出たため、右係官らは原告と次の臨店期日を電話で打合わせる旨を約して別れたが、原告からはその後被告係官に対し二回電話があつたものの、それは被告の調査理由を尋ね、あるいは、反面調査を難詰する趣旨のもので、調査期日の点には全然ふれていなかつたので、同係官は、同月二七日原告に電話をして調査協力方を要請したうえ、翌二八日午後二時頃原告宅に臨場したが、原告は右係官らの調査協力要請を無視して配達に出かけてしまつた。

加うるに、先に被告係官が原告の昭和三七年分から同四〇年分までの所得税調査のため前後六回にわたり原告宅に臨場したにもかかわらず原告が非協力のため右調査目的を達しえなかつた過去の事績もあり、これと前記経過とを総合して、被告は、これ以上原告の調査協力を期待することは困難であると判断し、後記認定のごとく反面調査等により原告の本件各係争年分の仕入金額を実額で把握したうえ、同業者比率により原告の所得額を推計した。

以上の事実が認められ、右認定に反する原告本人尋問の結果は信用できないし、他に同認定に反する証拠はない。前記認定事実によれば、被告の右調査はまさに国税通則法二四条の調査に当ること明らかであり、また、被告の同調査に対し原告は帳簿、取引書類等の提示もせず全面的に非協力であつたことが認められる。

3  原告は、本件調査当時、既に各係争年分の確定申告書を提出し、その申告税額を納付済みであつたから、所得税法二三四条一項一号にいう「納税義務がある者」または「納税義務があると認められる者」のいずれにも原告は当らないので、被告係官による本件調査行為は調査の理由と必要性を欠く違法なものであると主張する。

しかしながら、右法条に「納税義務がある者」とは、現に納税義務を負担しながら未納付の者または既に課税期間内の所得が同法の課税最低限をこえることによりその年分の所得税の納付義務を将来負担するにいたるべき者をさし、また、「納税義務があると認められる者」とは、右の意味における納税義務がある者と合理的に推認されるような者を指称するものと解されるから、当該年分の所得税確定申告書を提出し同申告税額を納付済みの者に対しても税務署長による更正(国税通則法二四条)の余地がある以上、かかる納税者といえども右の「納税義務がある者」ないしは「納税義務がある者と認められる者」に該当する場合のあることは当然であつて、原告の右主張は採用のかぎりではない。

そして、被告の原告に対する本件調査には前記認定のごとくその調査の理由と必要性を十分肯認することができるのである。

4  原告は、前記質問検査権の行使として税務職員らが調査をする際には相手方たる被調査者に対しその調査の理由と必要性を開示すべきであるのに、本件調査の際はその理由並びに必要性の開示がなされていないので、本件調査は違法であると主張するけれども、所得税法二三四条一項は、国税庁、国税局または税務署の当該職員は「所得税に関する調査について必要があるときは」質問検査権を行使することができる旨を定めているのみで、その範囲、程度、時期、場所等について実定法上なんらの制限も設けられていないから、質問検査権は適正な課税標準ないし税額を確定するため合理性が認められるかぎり、右権限を行使する税務職員らにおいて自由裁量によりいかなる方法と態様をもつてこれを行使するかを決定しうるものと解するのが相当である。したがつて、右質問検査権の行使に際し、調査の理由並びに必要性を個別的・具体的に告知することが法律上一律に必要とされる適法要件と解することはできないのであつて、この点に関する原告主張は採用できない。

5  法令上、白色申告の更正処分には青色申告の場合のようにその更正通知書に処分理由を付記すべき旨を規定したものはないから、白色申告の更正処分にはその通知書に処分理由の付記を要しないものと解するのが相当である。したがつて、この場合にもなお理由付記を要するとする原告の主張は失当である。

6  本件のごとく税額の多寡が争われている訴訟においては、被告はその主張にかかる課税標準の存在につき原処分後の資料によつてこれを立証することも別段禁止されていないので、口頭弁論の終結に至るまで適宜その提出が許されるから、原告のこの点に関する主張も理由がないものといわなければならない。

三  原告の所得金額

1  仕入金額

成立に争いのない乙第六、第七号証、第一三、第一四号証によると、原告の本件各係争年分の仕入金額は次のとおりであることが認められる(ただし、同金額は容器代金を除いた製品代金のみの金額である。)

〈省略〉

ところが、原告は、明治乳業株式会社からの昭和四二年分の仕入金額は同会社の五月分の請求書に計算上の誤りがあつて後日修正されたのに、被告の主張額(乙第一四号証)はその修正前の金額に依拠しているために誤つており、正しくは総額八、七一〇、五六二円であると主張し(その明細は別表(三)のとおり)、原告本人尋問の結果中にはこれに添う趣旨の供述部分もあるが、原告本人尋問の結果とこれにより成立が認められる甲第九号証の一ないし三によれば、原告の指摘により明治乳業株式会社において昭和四二年五月分の請求額を訂正したのちである同年五月一二日、原告は右会社に対し額面五八万円、支払期日同年六月一〇日の為替手形一通を交付し、さらに、同年六月一七日五月分残金として一四〇、〇七三円を支払い、その合計額が七二〇、〇七三円であることが認められる。そして、右金額は前記認定の昭和四二年分仕入金額の算出基礎たる同年五月分の製品代金額七六六、三二四円(乙第一四号証)の範囲内であるから、右支払が同認定額の一部支払とみることも可能であつて、このことの故に前記仕入金額の認定が左右されるものではないというべきである。他方、これを原告主張にかかる別表(三)の記載と対比してみるに、当初の五月分製品代は七五〇、七二四円であつたところ、訂正により一四、〇七二円が差引かれ、七三六、六五二円となつて甲第九号証の二、三に記載の金額を合計したものと一致しないことが明白である。のみならず、仮に原告主張のように五月分にのみ誤りがあるとすれば、原告の主張額は前記認定の八、八二八、六五〇円から右五月訂正分一四、〇七二円を控除した八、八一四、五七八円となるべき筋合いであるのにこれとも符合しないのである。

かようにみてくると、原告主張の前記仕入金額はそれ自体合理的根拠を欠くものとみざるをえないのであり、採用できない。

2  売上金額

原告が被告の本件調査に対し非協力的であつたため、被告は原告の本件各係争年分の所得額をいわゆる同業者比率を基礎にして推計により算出したことは前記認定のとおりである。

そして、成立に争いのない乙第七号証、第八、第九号証の各一、二並びに証人五島宗次郎、同高波昇作、同飯沼敏郎、同鈴木顕樹、同斉藤実、同久保木勝雄、同堀内哲郎、同大野吉之助の各証言と右各証言によつてそれぞれ成立を認めうる乙第一号証、第二、第三号証の各一ないし一〇を総合すると、次の事実が認められる。

被告は、前記経過により原告の本件各係争年分の所得額をいわゆる同業者比率により推計するにあたり、その基礎となる同業者の抽出選定は次の基準によつた。すなわち、原告の住居地を管轄する荒川税務署及びその近隣地域の王子、足立、本所、江戸川、葛飾、江東東、江東西の各税務署の管内に居住し継続的に牛乳販売(小売り)業を営む個人で、調査の結果、申告是認、修正申告是認並びに更正または決定処分を受けたものであること、ただし、年の途中で転業しあるいは業態を変更したもの並びに国税通則法による不服申立や出訴して現に審理中のものを除外することの基準を設け、前記各税務署に保管している管内納税者の住所・氏名、過去の課税業績等を記録した所得調査既未済整理簿より対象者を抽出選定したところ、被告主張のとおり(第二の二の2(二))、右基準に該当するものとして昭和四一年分につき八名、昭和四二年分につき九名がそれぞれ選定され、(本訴訟では便宜い、ろ、は、に、ほ、へ、と、ち、りと表示した。)右同業者の平均差益率は、昭和四一年分二九・七八パーセント、昭和四二年分三一・三八パーセントであり、同じく平均所得率は、昭和四一年分二一・九五パーセント、昭和四二年分二四・〇七パーセントであつた。

前記認定事実に照らすと、右同業者は原告と立地条件、業種、業態並びに営業規模にかなり類似性があるものと認めるのが相当であり、その差益率並びに所得率も原告のそれと近似性を有するものと認めることができるのであつて、これを基礎として原告の本件係争年分の所得金額を推計することには合理性があるものというべきである(この点に関する原告の反論は後記のごとく採用できない。)

そして、前記認定の仕入金額に右同業者の差益率を適用すると、原告の売上金額は

(一)  昭和四一年分一二、六二七、五七〇円

8,867,080円÷(1-0.2978)=12,627,570円

(仕入金額) (差益率) (売上金額)

(二)  昭和四二年分 一三、六〇九、五九九円

9,338,907円÷(1-0.3138)=13,609,599円

(仕入金額) (差益率) (売上金額)

となる。

3  算出所得金額

前記売上金額に右同業者の所得率を乗じると

(一)  昭和四一年分 二、七七一、七五一円

12,627,570円×0.2195=3,274,115円

(売上金額) (所得率) (算出所得金額)

(二)  昭和四二年分 三、二七五、八三〇円

13,609,599円×0.2407=3,275,830円

(売上金額) (所得率) (算出所得金額)

となる。

4  原告の反論について

(一)  売上金額

原告は、昭和四一年分につき売上金額一一、四一七、五七三円(卸売上五、三四六、一八四円、その他の売上六、〇一一、三八九円、自家消費六〇、〇〇〇円)、昭和四二年分につき同じく一二、〇三四、七八九円(卸売上六、〇八五、二六四円、その他の売上五、八八九、五二五円、自家消費六〇、〇〇〇円)であると主張する。そして、甲第八号証の一、二、第一〇、第一一号証には右主張に添う数額の記載があり、原告本人尋問の結果によると、これらは請求書・領収書の各控え、伝票等により集計作成したものである旨の供述部分もあるが、そのような請求書、領収書、伝票等ないしはその他の原始記録は本件調査時から本件訴訟の段階に至るまで全く提出されておらず、原告本人尋問の結果によるも原告主張の数額算出の根拠が漠然としていて具体性に乏しく、これをもつて前記推計にかえ実額計算ができるほどの客観性と具体性のあるものと認めることは困難であつて、右主張は採用するに由ない。

(二)  一般経費

原告は、一般経費として昭和四一年分が合計一、〇〇九、〇七六円、昭和四二年分が合計一、〇一七、七五二円であると主張し、前示甲第一〇、第一一号証には右主張に添う数額の記載がされている。

しかしながら、被告の本件調査時から本件訴訟の段階に至るまで原告から領収書などこれを客観的に裏付ける証拠資料は何も提出されず、右の甲号証も単に経費項目と金額を羅列したのみで、原告本人尋問の結果によるもその具体的算定根拠は明らかにされず、ただ極めて概算的な金額をあげて述べているにとどまつている。もつとも、原告主張のびん消耗費(昭和四一年分一二九、二四七円、昭和四二年分一一四、一九六円)は、原告本人尋問の結果によると、破損等による牛乳びんの消耗を補填するため購入したびん代と明治乳業株式会社より不足びん代として請求を受けた金額を合算したものである旨の供述がなされているところ、びん購入代の証拠としては甲第六号証の一ないし一二、第七号証の一ないし一四が提出されているものの、右会社よりの請求額については領収書などの証拠資料は全くないのみならず、仮にこれが原告主張のとおりと認められるとしても、同主張に従うと明治乳業株式会社の原告に対する昭和四二年分のびん代請求額は四四、三一〇円(別表(三))であり、他方原告が同年中に購入したびん代は五八、九七七円(甲第七号証の一ないし一四)であるから、この両者を合算してみても一〇三、二八七円となつて原告の右主張額と一致しないのである。

このように(昭和四一年分については明治乳業株式会社からのびん代請求額の明細は主張されていない。)、原告の前記主張は客観的合理性に乏しく、これをもつて前認定の推計の合理性を覆すに足りる客観性のある資料とは到底認め難く、他に右主張を肯認しうる証拠もない。

5  特別経費

(一)  昭和四一年分 九三三、四七五円

(1) 雇人費 七九五、四七五円(当事者間に争いがない)

(2) 家賃

成立に争いのない乙第一五号証とこれによつて成立が認められる乙第一〇号証及び原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すると、原告は本件各係争年当時鈴木文雄から店舗兼用住家一棟を年額一二万円の賃料で賃借していたが、同建物は本来店舗用に建造されたものであるため、原告夫妻が居住用に使用している部分は主として奥三畳の間だけであつて、右建物の事業使用割合は七割とみるのが相当であること、他方、原告は従業員宿舎用として昭和三七年一一月頃から竹垣粂吉より台東区三ノ輪二の一〇の一三木造アパート一室を賃借しているが、その賃料は年間五四、〇〇〇円(月額四、五〇〇円)であつて、昭和三七年新規契約の際に一五、〇〇〇円ないし二〇、〇〇〇円を権利金として授受したほか現在まで権利金、更新料または礼金等は授受されていないことが認められ、原告本人尋問の結果中昭和三九年に契約更新料を支払つた旨(これが事実であれば昭和四一年分相当額を考慮すべきこととなる。)の供述部分は前示各証拠に照らして信用できない。また、原告本人尋問の結果により成立を認めうる甲第一二号証の二も竹垣健一は亡父粂吉(昭和四四年死亡)の生存中の更新料等については不明である旨の記載がされているにとどまるところ、前示乙第一五号証によれば、竹垣粂吉の妻と息子の健一の両名は、国税局係員の質問に対し、相互に記憶を喚起しながら前認定のごとき趣旨の回答をしたうえ、竹垣健一において「三、権利金等 昭和三七年新規契約の際に一五、〇〇〇円乃至二〇、〇〇〇円を受領しましたがその後は現在に至るまで権利金、更新料、礼金の受領はありません」と記載した書面(乙第一〇号証)を作成提出したものであることが認められるので、前示甲第一二号証の二も右認定を左右するものではない。

そこで、昭和四一年分の支払家賃は次のとおりである。

(ア) 店舗家賃 八四、〇〇〇円

(イ) 従業員宿舎の家賃 五四、〇〇〇円

右合計 一三八、〇〇〇円

(二)  昭和四二年分 一、一四六、〇五〇円

(1) 雇人費 九八八、〇五〇円(当事者間に争いがない。)

(2) 家賃 一五八、〇〇〇円

(ア) 店舗家賃 八四、〇〇〇円(昭和四一年分と同じ認定理由による。)

(イ) 従業員宿舎の家賃 五四、〇〇〇円(昭和四一年分と同じ認定理由による。)

(ウ) 従業員宿舎の畳替費 二〇、〇〇〇円(原告本人尋問の結果)

6  専従者控除額(当事者間に争いがない。)

(一)  昭和四一年分 一四二、五〇〇円

(二)  昭和四二年分 一五〇、〇〇〇円

7  所得金額

原告の課税所得金額は、3の算出所得金額より5の特別経費及び6の専従者控除額を差し引いた左記金額である。

(一)  昭和四一年分 一、六九五、七七六円

(二)  昭和四二年分 一、九七九、七八〇円

四、以上のとおり、本件更正処分についてはその調整査手続並びに推計課税をするについて原告主張の違法はなく、また、所得額の認定についても本件更正処分におけるそれは昭和四一年分一、一一四、二五四円、昭和四二年分一、〇一〇、八四一円であつて、当裁判所の前記認定額の範囲内であることが明らかであるから本件更正処分は適法である。

また、原告の本件各係争年分の確定申告額は、前記認定のとおり昭和四一年分の総所得金額四八一、三三八円、同じく昭和四二年分五三七、七六四円であつて、本件更正処分の各総所得金額に照らしこれが過少申告に当ること明らかであり、これを理由としてなされた本件賦課処分も適法というべきである。

五、叙上の次第で、被告のなした本件更正処分及び賦課処分には原告主張の違法はなく、これが取消しを求める原告の本訴請求は失当として棄却すべきであるから、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 高津環 裁判官 牧山市治 裁判官 上田豊三)

別表(一)

昭和四一年分

〈省略〉

別表(二)

昭和四二年分

〈省略〉

〈省略〉

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